今夜はブログを書くのもやめようと思っていましたが、ネットでちょっと調べたいこともありネット・サーフィンをしていて、とんでもないコミュニティーに出くわす・・・・。
造園業について語ろうというコミュだったのですが、同業者としてこのサイトの内容に凄く悲しくなった。
そう、怒りを通り越し悲しい・・・。
俺達、”庭師”を志すものは本当に日々を大切に生き、教養を高め、美意識を高め、礼儀を知り、思い遣りを知り、植物や道具を慈しむ心を育み、自分の決めたこの道で生きていこうと苦しくも、明るく前のみを見て足掻きながらも切磋琢磨し過ごしている。
私がこのブログを始めたのは4年前の3月。俺達”庭師”という”造園業”の生き方や考え方、物事の取り組みなどを、同業者は勿論のことですが一般の方にも知っていただきたかったから。
このブログを読む、庭師の見習いさんや経験の浅い人には、俺の拙い技術や心だけれど、庭師の俺からのメッセージを感じて欲しかったし、作庭・竹垣・剪定技術を一つの方法として、出来るだけ細かく、写真を添えて全てを公開していました。
一般の方には造園業・植木屋さんって、はっきり言ってどんな職業なのかは大まかにしか分らないし、単純に植木をチョキチョキしている職人さんってイメージが強いだろうなーと思い、誰でも成れると思われてしまっているこの職業を、実はこんなにも奥深く、生半可な気持ちでは”庭師”にはなれないのです!って知って欲しかった。
でも、私は常々思っていたことがある、いや、確信している。
この業界の評価は非常に低いし、社会的認知度も大工さんやいわゆる建築家さんから比べると低い・・・。
しかし、その現状を招いているのは紛れも無く、俺達造園業者自身だと思っている。
確かに先ほど見たネットのコミュを見ると、正に同業者の若い年代の人が、自らの職業を侮蔑している・・・・。
そして、この業界の周りを見ると・・・悲しいけれど”心を持たない植木屋さん”が多い・・・。
技術云々の前に、職人としての誇りや、"向き合う姿勢”が欠けている方々もいらっしゃる・・・。
プロフェッショナルとは言えない・・・・けれど、誰からも”オカシイ!と言われることも無いし、あるいは”ウチは雑な仕事しかしないからー”と開き直ってしまう会社すらある。
でもね、その中でも私達の様に毎日を必死に向上心を持って向き合い、技術の向上を図り、植物に慈しむ心を持ち、お客様の大切なお金を無駄にしないように専門職として他業者との違いを明確にし、庭職だからこそ出来る”手仕事”をして報酬を頂く。
植木屋さんが他の仕事と違うことは、植物を扱うということ!つまり物言えぬ生命を扱い、それは常に寸法や環境は違い、適材適所に扱わなければその”命”は失われてしまうということ。
だから、そんな造園業は”尊い職業だ”なんてことは言いません!どんな職業も尊いのですから。そこは勘違いしてはいけない。
何が言いたいのかというと、このブログを通して僅かばかりでも”職人の生き方”を知っていただきたい。
そして私はこの職業の底上げ無しに、この職業の未来は無いと確信している。
自己の技術向上や作品を残すことだけが、この世界の底上げではないはず!!
だから自分は、他の庭師さんからの批判がある、技術の細かな技法や写真・造り方を惜しげもなく公開している。
人によっては、自分が大金を払って自己投資し、死に物狂いで身につけた技術を簡単にブログ上で公開するのは間違っているし、迷惑だ!という方も現実にいらっしゃる・・・・。
確かにその通りかもしれません!私自身も本当に毎日怒鳴られ、講習会では他の大勢の庭師さんの前で、耳まで真っ赤になるほど講師の先生に怒られ、恥を晒し、挫折しそうになりながらも、砂を噛む思いで身につけた”心と技術”だったりする。
でも、だからこそ、そんな体験談も公開するし、若い庭師さんには私にもそんな時代が有ったのだから、「大丈夫だよ!自分を信じて、この道に向き合い頑張れ!今の環境は未来にとって必要な大事な時期だよっ!」ってブログを通じて背中を押してあげたい。
そんな自分の選んだこの世界。でも今夜見たコミュは信じられない程にこの道を底辺へ押しやる無いようでした。
どんなことが書かれていたのかを下記に少し紹介します。これは同業者と一般の人、そしてまだ若い方の書き込みでした。
どなたか
造園家
庭師
植木屋
違いを教えていただけないでしょうか。
回答はこう
造園家=能書きだけ
庭師 =能書き、体力
植木屋=体力
植木屋はねぇ・・なんていうか、地頭が悪いっていうのかな、ほんと馬鹿ぞろい。
あと、百姓が会社やってるのが多いから、社長は百姓根性で浅ましいし、
倅は世間知らずのとっちゃん坊やが多い。
造園土木とかいって公共やってる会社は、世間一般で庭師といわれている職業とは、
はっきり言って別の職種だから、これから始める人は間違えないよう気をつけて。
公共やってる造園屋は、只の土木屋の出来損ないだから。
庭師にも土木屋にもなれない半端な技術で、カスみたいなおこぼれ拾ってるだけだから。
造園なんて他の外仕事にくらべたらカス!
言い訳とゴタクで通る世界やから甘い人間ばっか
やから給料安い
バカバッカ(笑)
20代以上で転職して1からやるならもう遅い
やるなら10代から
興味ないならやらない
定年してからでもできるような糞仕事
若いうちは他で稼ごう
今の仕事をやってて良かったこと、嫌だったことを教えてください。
将来真剣にこの職業に就こうと考えています。
良かったこと 人妻食いまくれる
嫌なこと 金持ちの婆に食われる
軽い気持ちでなら、コンビニ店員でもしてた方が楽
真剣に考えたか?
将来性もコンビニ店員と変わらんぞ
だいたい掃除しかやらせねーとかあほか
おれに早く剪定教えれば才能開花して逆に親方達掃除だ
こんなことが永遠と書かれていた・・・。こんな奴ら相手にするだけ無駄とは分っている。
でも同じ造園に携わる人間がこれではこの職業の底上げは前途多難だな・・・。
ネットで「造園業」と検索しただけでこんなコミュニティーに一般の方の目にも触れてしまうのでは・・・・。
これからこの業界を目指す人に言いたい!!
どんな辛いことがあっても、人や親方のせいにするな!!全ては自分の生き方一つなんだ!!
ネットで自分の生きる業界を誹謗中傷するな!!そんなことをするならこの業界に向いていないし、人として、人間として礼節を持つことが大切。
誰に就いたから"立派な庭師”になれるわけじゃないよ。誰を師匠に持つかではなく、どんな庭師になりたいのか、それを成し遂げるには自分がどう生きていくかなんだよん。
私も同じく、今も一人の修行者であり続ける。そして、この職業を愛し私の愛弟子達も愛している。
俺の元で修行したせいで、なかなか出来ない仕事もある、それは認める。
でもね、修行後に独立を向かえ、世間や業界に対して誇らしく思われるように必ずする!とは言えない・・・。しかし!!決して自分の修行した期間の行き方を恥ずかしい生き方だったなんて思わせない位には育てる。誇れなくてもイイじゃない!誇る必要なんてないし謙虚じゃないしね。ただ人として恥ずかしい生き方だけは絶対にさせない。
そんなお弟子さんが実は私を育ててくれているのですけどね。ありがとう我がお弟子さんたち。
今夜のブログを読む一般の皆様へ。
確かにこんな業界人が居ることも事実なんです。恥ずかしながら。
しかし、こんなにも一生懸命に前を向いて生きている庭師達もいるのです。
そして、このブログを読む同業者の皆様!頑張りましょう!この世界をもっともっと盛り上げて、俺達の生き様を見ていただきましょうよ!!
なんとも嫌な記事を目にしてしまった夜だ・・・・・。
でも俺はいつも通り、人に問われればこう言う「日々是好日」ってね!!