網代垣の作り方その

  • 2016.02.05 Friday
  • 11:39
さて、前回のブログでは竹を割って節を飛ばすところまででしたがここからがコツコツと地道な仕事が待っています。

DSC_0797 (640x360).jpg

前回の写真のこの割った竹を更に竹の肉を削ります。そのままでも網代垣は編んでいけるし(編みづらいですが)実際このままで網代垣を作成なさる会社もありますが、弊社ではこの「肉削ぎ」を必ず行ないます。
センという道具で1本1本丁寧に3分の2の厚みを削いでいきます。
これが結構大変です。今回は幅130センチ高さ150の網代編みにしていきます。
因みに150cmの高さならば割り竹の長さは180cmがいいでしょう。
この下準備に2人のお弟子さんが朝から夕方まで(8時から15時)までかかります。
またまた因みに今回の幅では約200本の割り竹を使用します。
詳しく言いますと直径8cmの太竹で長さ8mを1.8mに切断=4本取れます。
これを6分けする菊割で割り更に鉈で半分に。1本で12分割となりますね。それが4本で48枚。
要するに今回の袖垣では長い8mの竹が合計4本必要になる計算です。
48枚×4本=192枚
しかし、これでは悪い竹(傷がある、細すぎるなど)も使うことになってしまうので余分に8mの竹の半分を予備で割ります。
かなり詳しく書きました(笑)
そう、私はこのブログでは出し惜しみすることなく私の知りうる限りではございますが何でも公開しちゃいます。
このブログを読んで少しでも伝統的な仕事をやってみたいなぁという若者や同業者さん、そして一般の方に私達”庭師”の”手仕事”を知っていただけたら嬉しいのです。
それがこの世界の底上げになると信じているから。
あっ、もちろん私のまだまだ拙い技術なので参考程度にしかならないかもしれませんが、そこはご容赦くださいね。

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そんな網代編みの竹の準備が出来たら早速編んでいきます。
まずは竹の表と裏を交互に2枚ずつ並べます。(通常竹垣の網代編みは4枚一組が一般的なのですが、今回は袖垣で距離も短いので、より”編み模様”が強調されるように細かい2枚1組としました)

まずは5手までは交互に並べます。この時上下にキチンと作りたい寸法の定規を作り上下の竹がしっかりと150cm(今回の施工では)で納まるように用意することを薦めます。今回は私が定規にする材料を忘れてしまいました(笑)

話を戻します、5手まで交互に置いたら今度は2手越しで編み始めます。そして11手まで来ると基本形の完成。
ここからはパターンが同じになり、2手越しに交互に編みこんでいけます。

ある程度編み込み終ったら、今度は端の部分を折り返して編み込む。
多くの人達はこの”折り返し編み”を省略してしまいがちですが、この折り返し編みをするのが本当の網代垣。

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白い裏面の竹をペンチと鋏とハンマーで折り返します。慣れないとちょっと混乱するのもこの網代編みの特徴です。

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編み上がってくるとこんな感じです。

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勿論両端部共に折り返して編み込みを終えます。網代編みが終わったら柱の加工作業。
弊社は常に機械でボール抜きされた柱は使いません。自然柱を使い、そして必要であれば様々な意匠をします。

それはナグリ柱にしたり、隅カンナをつかって”ナグリ模様”にしたりです。

折り返した部分は多少竹がささくれるので、それを隠す為としっかりと編みこんだ竹を固定する為に”ホゾ”を掘っていきます。

深さは今回は5cmくらいです。

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今回はナグリ柱と隅カンナ柱を使い袖垣を造りました。写真は竹の框(かまち)部分。

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始めに押さえ縁を裏側に片側(1本の柱だけ入れて)に取り付けて、框竹を編みこんだ竹の下側にスライドさせてはめ込みます。

その後片側の柱の溝に端部をはめ込みながら、もう片方の柱の溝にもはめ込み押し縁を固定。これで網代編みが垣根から抜ける心配はありません。

あっ、因みに長距離の場合は端部を編みこみ終わってある程度の長さに編み込みが出来たところで、立て込んだ柱に取り付けて、続きを編んでいきます。最後にある程度の”伸びしろ”をつけて最後の端柱の溝に押し込みます。

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框竹と柱の溝の取り合いの写真です。しっかりと全ての編みこみの端部が溝に入り、仕舞いが良くなっているのが判りますね。

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さて、今回は網代編みだけの垣根だと派手すぎる感があるので、上部を穂垣にすることで”柔らかさ”も演出することに。

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そんな穂垣も均一に切るのではなく、斜め切りすることで垣根に”動き"を演出。不均等の美ですね。竹垣の表面に”間”が出来ます。

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そして最後に瓦屋根を乗せて穂垣と垣根が長持ちするのと同時に”格式”が生まれます。
網代垣の完成です。

瓦と穂は常日頃から在庫としていただいてきたものです。そう、お金を掛けて材料を購入していいものを作るのではなく、日常に於いていつでも”準備”を怠らずに材料をも”調達”し、”ひと手間を掛ける”ことが職人として大切なように思います。

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筧の柱にはこれまた去年の秋に伐採したカイズカイブキを柱として保存していたものを”頭巾”仕上げで。

筧の水がもっと穏やかであればいいのですが、ここのお水は井戸水で、これより水量を絞るとポンプの性能上の理由でポンプに熱をもってしまうためにこれが限界の水量。


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少し斜めからの眺め。

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正面からの眺め。

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記念に私と網代垣のツーショット(笑)

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施工した場所は鳳勝寺山内の一番奥の「隋流居」という扁額があるおばあちゃんの住まいの玄関脇です。

6年前に施工した大徳寺垣を袖垣にした奥の場所です。通りからは見ることが出来ますので機会があれば見に行ってくださいませ。

最後に

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施工前と

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完成。既製品にはない”庭師の香り”を感じていただけたら幸いです。
コメント
ひろさん、コメントが遅くなりまして大変申し訳ありませんでした。そうなんですよ、竹は扱いを変化させることで様々な表情と魅力を引き出すことが出来るんですよね!作っている私達もとても楽しい作業です。
  • 霧島宏海
  • 2016/03/07 10:59 AM
竹ひとつで、と言ったら語弊があるかもしれませんがこんな模様が作れるなんて驚きでした^^次回の記事も楽しみにしています!!
  • ひろ
  • 2016/02/05 11:23 PM
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