自らの「道」は自ら切り開くこと

  • 2013.12.09 Monday
  • 18:55
 先日、地元の竹材店で自分にとっては驚くことがあった。

何度か作庭中に材料を取りに行っていたのだが、店の親父さんが長竹をパカパカと割っていた。

竹材店の材料屋さんが何故に竹を割っているのかが不思議でしょうがなかった。

親父さんに伺うと、「いやー、造園屋さんに建仁寺垣の押し縁を割ってあげているんだよ!!」

って・・・・当然のような返事だった!!俺は驚いたよ!おいおい何時から造園屋じゃなくて、竹屋が竹を割ってやるようなことになったんだ??

詳しく聞くとこうだ・・・。

「最近特に多くなったね!竹を長く割ることが出来ないから、竹屋さんに割ってもらった方が手間も掛からないし、竹を磨くこともないし失敗しない」だって・・・・・・・。

にわかには信じられない現実だ!!俺の庭師人生において、現場で使う竹を自ら割らず(割れず?)人任せにして施工するなんて!!

しかもこれだけじゃないらしい・・・柱は機械で元末を揃えた丸太(上下の太さが揃っていて、水平器を当てれば簡単に建て込み出来る丸太)しか使う人は居ないし、竹穂はメーカーで編みこまれたものを購入して施工・・・・・それならまだましで、出来合いの垣根セットを買って施工場所に”ポンッ”と建てて完成だそうだ。現場に合わせるにはわざわざ特注で出来合いを作らせるらしい・・・・・・・。

プラスチックの垣根といったいどこが違うのか?そして、その人達は”もの造り”を生業にする職人なのか?

職人としての矜持は何処へ消えたのだろう。

建仁寺垣の押し縁すら割れないなら、設計に入れるべきじゃないし、第一そんな割り竹をトラックに竹屋さんで積んで走って、恥ずかしくないのか?

俺なら絶対にしない!!

俺は竹を現場で割るし、竹を”知る”ことから始めたくちだ。

修行時代、何度も何度も先代の親方に怒られ、手を何度も切って竹の性質を知り、竹の扱いや、難しさ、奥深さを学んだ。

芽割りや背割り、細割りなどの多くを修行期間で身につけた。

プロと名乗りお施主様からお金をいただくのなら、それに見合った技術を身につけてしかるべきだろう・・・・。

俺だってまだまだ未熟なヒヨコ程度だと思う。そう、一生かけて修行中だ!

それが、こんな”にわか造園業”が(本質を追わないで目先の作業性や利益に走る人達)現在のこの"道”に紛れ込んでいるのか・・・・・・・・・・。

俺は竹垣をお客様の家で施工するときには、”プロとしての仕事”が出来ていない場合は施工はしない。

竹穂垣を作りたかったら、講習会に参加し、そこから置き場で何度も自分なりにその垣根の本質の紐を解き、竹藪での竹の生え方を学び、竹穂の性質を知り材料と向き合い、トレーニングを重ねてから、お客様の元で施工するようにしている。

それが正しいなんて言わないけれど、ただプロとしてそれは当たり前だと思ってきた。

だから、あえてこんな自分は”こうしている”なんて声を上げて書き綴っては居なかったと思う。多少は書いてきたけれどね(笑)

それが、今回知ったこの”事件”に俺はこの職業の未来を危惧する。

そんなことしていたら、自分達の首を絞めることに繋がるぜ!?

建仁寺垣の竹子を竹薮から取り出して自ら割って作れますか?作れて当然なんです。

それが出来るからこそ、コストの面もあるし時間的なこともあるから、予め束になっている割り竹を使うのだ。立て子の矯正の”ねむり”に”ひらき”(ぶっこみ)をどんなときに使い、何処で使うのかキチンと判っていますか?何故に出の3枚が逆使いなのか?禁忌についても判っているかな?
全ては"本質”を知り、竹垣を作るということ。
竹屋さんで何もかも”製品”として用意してもらったものを、現場で”組み立てる”のでは、塩ビ製の竹垣と何の違いがあるのだろうか?

ものによっては塩ビの竹垣の方が値段も高いだろう。でも”腐らないから”という理由だけで、お客様の意向を聞いていませんか?

勿論俺も多々お客様から塩ビ製の竹垣を施工して欲しいと言われる・・・。

でも、結果として殆どのお客様が天然の竹垣を依頼しなおしてくださる。

俺は塩ビ製品が悪いとは言わない。でも目先の事に焦点を絞らないで居て欲しいと願う。施工業者もお客様もだ。

天然の竹垣は確かに腐る・・・いずれはね・・。でも塩ビ製の竹垣が”腐らないことの違和感”をもっているのです。

だったらプロとして、植木職人として全力でその腐らない塩ビ製の竹垣と戦わないと!!
7・8年で朽ちる竹垣を腐らないようにする努力をすればいいし、その為に頭をフル回転させ、そして大事なのが”その場所に果たして本当に竹垣が必要なのか??”です。
塩ビだろうが、そうじゃなかろうが、本当にそこに竹垣が必要なのかそこを大事にしたい。

俺は自分が設計した庭で竹垣が必要なら、それをちゃんとお施主様に説明する。そしてお客様の意見や意向を聞きながらも、お客様を教育していくのも私たちの役目の様に思う。

自分達の技術や心が形になるかもしれないのだから。

10年後 塩ビ製の竹垣は必ず腐らずにそこにあることでしょう。そう、施工したときが一番”綺麗”であり10年後には劣化して水垢が付いて、でもそこにあることでしょう。
そして、お客様もその景色に慣れ只の目隠しとしているかもしれません・・・。

庭師として、自然の竹垣を作って”綺麗で美しい”ものが10年後にお客様から「竹垣も大分と朽ちてきましたね。そして10年間の月日を感じます。青竹からの変化なども楽しませてくださいました。また作り変えていただけませんか?」って言って戴きたいと思いませんか?
10年経っても、竹垣を施工したそこに"感心”を持っていただけるようにしなきゃ!

人は移り変わるし、経済状況も変ることです。でもその時にあった予算で我らが出来ることはあるのです。そう信じたいし、俺はそうしてみせる。その為に日々この”道”に向き合っている。

製品で溢れかえるこの世の中、今のままでは職人は衰退していくことだろう。

製品から作品へ!これが俺達の道だと思う。

心を込め、想いを伝え、材料と向き合い、人と向き合い、この道と向き合う。

この世界で生きる仲間達へ・・・・生意気言ってすみません。

でも奥歯に力入れて気張っていこうよ!!

コメント
長々と相談に乗って頂きありがとうございました。
確かに社長の背中を見ながら経験していくのが最善なのでしょうね。
スタートラインに立つ勇気が少し出た気がします。
きっと走り出したら全力でやると思います。
良く社長と向かい合って話し道を拓いていきたいです。
また躓いた時は相談するかと思います。
霧島様も頑張って下さい。
本当にありがとうございました
  • あき
  • 2013/12/19 12:31 AM
こんばんはあきさん。
そうですね、焦る気持ち分りますよ。私も現場監督の会社に勤めていた時に、兄に帰ってくる事を説得させられて焦ったものです。
でも、私はそれなりの”覚悟”をもって会社に戻りました。
社員というよりは、父に弟子入りし、尚且つ自分の存在意義を示せ!ということでしたので苦労しました。

そして、あきさんのお考えも十分に分ります、戦力になるために経営学、専門知識・・・・あればあるにこした事は有りませんが。

大学にいっても、お父様から学ぶべきことは何一つ教えてはもらえないと思います。経営学も基本さえ抑えていけばいいと思います。会社によって違いがあるのですから。

返って社長様とぶつかる事も多くなりそうですね(苦笑)

「郷に入れば郷に従え」で自分の学ぶべき”道”をしっかりと社長の背中を見ながら学ばれるのが一番だと私は思います。

その中で、自身の向上心・探究心・研究心を止めることなく、何事にも好奇心をもって日々過ごされると良いと思います。

実家に帰って先ずは、番頭さんや社長様の下に弟子入りをしたと思い、何事に関しても”謙虚”にそして、気遣い・心遣いを出来ていれば、おのずと廻りはついてきますし、自信も技と心を得てくると思います。

なんだか、アドバイスになっていないかもしれませんが、この世界は何事も”経験工学”です。

頑張って下さい!!応援しています!!
これからも同じ世界でたくさんの事を語りましょうね!!

とっても楽しみにしております。

この世界、スッゴク面白いですよ!そう、美容師さんと同じくらいお客様と近い存在ですし、きっとその場所で培ってきた話術と人を喜ばせる経験が、役立ちます!それはあきさんの最大の武器です!自信持ってくださいね!!
  • 霧島宏海
  • 2013/12/18 6:55 PM
お忙しい中お返事頂きありがとうございます。
答えは自分の中にあるんですよね。
霧島様が言われる通り中途半端なままだと自分含め周りも幸せにすることができないんですよね。
父親(社長)が急かしてくる事ですごく焦りが出てしまったんです。
あまり時間はなさそうですが少しずつ造園の事も知識にいれながらタイミングを見計らって切り替えていくつもりです。
ただいきなり家の会社に入るのはすごく抵抗があり、農大なり経営学学んでから始めたいと思うのは遠回りなんですかね?
また質問になってしまいすみません。
  • あき
  • 2013/12/17 11:47 PM
こんばんは、そしてはじめまして、あきさん。

美容師さんなのですね。それは素晴らしいことです。
そう、代々続くというのは大変なことと思います。
しかし、未来へと続く人生は基本的には自身のものでもありますね。
家業を告ぐ決意をされたのであれば、その今まで大切に思っていたお客様へ対する思いと同じように、今度は庭の世界のお客様にも目を向けていくことが良いとおもいます。
自身でお悩みされるほどに、人と人との出逢いや関係を大切にしているあきさんなら、きっと出来ることと信じれます。
先ずは本当に庭の世界でご自分がどのようになりたいのかをしっかりと見つめることが大切なように思います。
そして、決して転職を後悔しないで下さい。
後悔や後ろ髪を引かれていると、それはそのまま自身のモチベーションに留まらず、従業員さんや親方にも伝わり、何もかもが中途半端になってしまう恐れがあります。
先ずは”庭を楽しんで”ください。
美容師さんと庭師も、手に職の職業では同じように感じることも多くあります。
そう、私の彼女も美容師をしています。16年美容師さんを務め、店長にもなり、美容師のキャリアも顧客数も思いいれも、実績もかなりある方です。
しかし、来年私と暮らすために鋏を置き、美容師のキャリアを全て一度白紙にして私の元に来てくれます。
遠距離でしたので、その道しかなかったのですが、きっと彼女は凄く悩み、決断したのだと思います。
彼女自身が自身で考え退職届を出し、私に報告してくれました。でも彼女は言います「決して後悔はしていない、自分で決めたことだし、決めた以上は最後までキッチリと美容師の仕事をしてお客様の最高の笑顔を見て、遣り残したことのないようにして、私の元に行くます」っと。
少し彼女とは状況が違いますが、あきさんも、今のキャリアを活かしつつ(接客や気遣い心遣い)庭師の世界を少しずつ楽しんでは如何でしょうか?

技術は後からでもついてきます。先ずは、ご自身が本当に庭師になりたかどうかですよん。

そうじゃなければ、きっとご自身を含めた皆が悲しい気持ちになってしまいますもの!!

すべての答えは”自己の中にあります!”

頑張って下さい!!私はあきさんを応援していますよ!!

なんだか取りとめもない事を申しましてすみません。

的を外れたアドバイスになってしまいましたかね・・・(大汗)

コメントありがとうございます。何でも聞いてくださいね。
庭師のことであれば、多少なりとアドバイスとまでいきませんが、お答えできる範囲でご返事いたしますので!

ありがとうございました。
  • 霧島宏海
  • 2013/12/17 8:47 PM
はじめまして、最近ブログを拝見させて頂いております。
仕事に対する意気込みというか熱意を感じました。
私は美容師を10年ほど続けていますが近いうち実家の造園業を継がなくてはなりません。
代々続く培われた技術、残していかなければならない土地と会社、従業員。
今までやってきた今の仕事に対する想いやお客様捨てきれない思いもあります。
どこからどう切り替えて何から始めればいいのかわかりません。
霧島様なりのアドバイス頂けませんか?
コメント欄に長文、私的相談になってしまい申し訳ございません。
寒いですがお仕事頑張って下さい
  • あき
  • 2013/12/17 1:32 PM
はじめましてsakaさん。1年前から閲覧してくださっているのですね。ありがたいことです。感謝。
過分な私への評価に恥ずかしいやら、なんやらですが、自分なりの庭師道を進んでいきますね!!応援が力になります!
ありがとうございます。
  • 霧島宏海
  • 2013/12/11 7:18 PM
はじめまして。
1年ほど前からブログ拝見しています。
自分も造園業をしていて、霧島様のブログからいつもやる気をいただいていて、今や自分のバイブルとなっています。
これからも庭師道を突き進んで下さい。応援しています。
  • saka
  • 2013/12/10 9:20 PM
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